歯髄保存

 いったんう蝕がエナメル質より象牙質に進行すれば,いわゆる予防的な側面から,歯髄保存へのアプローチをどのように行うかが重要です。
 現在,日常臨床においてう蝕の検知法は,繭蝕検知液を用いる方法が主流となっています。これはFrankらが提唱した概念に基づく.Frankらは,除去すべき繭蝕について,う蝕象牙質第一層は再石灰化か不可能であり,う蝕象牙質第二層は再石灰化か可能であることから,第一層のみ除去することを推奨しています。
 露髄を伴わない場合はReactionary Dentinogenesis を期待した治療を行うことになります。臨床ではステップワイズエキスカベーションやシールドレストレーショッという手技を用い,材料の進歩に伴い,多様性をもって歯髄保存を日常臨床に取り入れています。
 シールドレストレーションは一回法による隔蝕除去ならびに二回法における確定的う蝕除去の際に用いられる方法です。本方法は,前述のとおり,軟化象牙質除去後には細菌の残存が考えられるため,その活動を停止させるようにMDPB含有のプライマーなどを用い,さらに封鎖性の良い材料で象牙細管をシールする方法です。細菌の活動を停止させることを目的とします。



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